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現預金・有価証券の申告漏れに要注意 |
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国外送金調書の資料情報により、海外財産に対する調査も厳正化(国税庁発表)
国税庁から公表された、16年6月末まで1年間における「相続税の調査事績」によると、相続税の申告漏れ課税価格は3,866億円で、前年より118億円増え、そのうちシェアとしては最も多い約40%に当たる、1,557億円が現預金で占めるなど、依然、現ナマによる財産隠しが主流になっていることが浮き彫りになった。
現預金に次いで多いのは有価証券の645億円で、これら現預金と有価証券とで申告漏れ相続財産全体の6割近くを占める結果となり、現物による財産隠しが顕著になっている。
- 現物を自宅に隠す
- 例えば、東京局の事例では、相続が開始する数年前から、相続人が被相続人名義の預金口座を解約して現金化し、自宅の押入れに隠匿していたケースや、同じく相続開始前に被相続人が証券会社から持ち出していた被相続人名義の上場株式の現物を自宅に隠し持っていたケースなどが見られた。
高松局でも、被相続人が保有していた数億円にものぼる割引金融債権が相続人の長男宅の金庫で発見されている。このような悪行をはたらいた相続人には、割引債券無記名かつ現物であることを奇貨としていた魂胆が見え隠れしている。自宅ではなく、共同相続人ではない長男宅に隠していたという手段も姑息なかぎりだ。
関東信越局では、最近では下火になりつつある郵便貯金を申告から除外していたケースが見られた。
郵便貯金を架空名義にしていたところに苦心の跡が見られるが、あえなく御用となっている。
- 黙契、砕かれる
- 海外財産に対する相続税調査も厳正に行われており、海外財産は容易には発見されないという相続人間の黙契は砕かれつつあるようだ。
東京局では、アメリカ・ハワイにある被相続人名義の賃貸用不動産とその賃料収入のプール口座があったにもかかわらず、これらの相続財産約6,000万円を申告から除外していた事例が見られた。これらの海外財産を隠匿した相続人は、調査の直前に、わざわざハワイにまで渡航して、隠匿財産に関係のあった不動産会社や銀行にその存在を口止めまでしていたという。
名古屋局では、200万円を超える現預金等を海外に送金する場合に税務署への提出が義務付けられている国外送金調書を端緒に、申告漏れが発見されたケースが見られた。
国外送金調書から、被相続人が生前にスイスの銀行に数十回に分けて送金していた事実を把握、約4,000万円の申告漏れを指摘している。
これら二つの海外事例は、いずれも相続開始時に国内に住所を有する、いわゆる「無制限納税義務者」のケースであった。一方平成12年の改正で租税特別措置として導入され、今年、相続税の本法に格上げされた、日本国籍を有する個人で国内に住所を有しない、いわゆる特定無制限納税義務者のケースについては「把握していない」(国税庁)とのこと。
今後の調査実態が注目される。
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