- V. 名義書換の方法
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- 不動産の名義書換
法務局に、相続による所有権移転登記申請をします。これにより、登記事項が相続人に変わり、取得された方の新しい「登記識別情報(※)」が作成されます。
登記名義人が死亡すれば、お亡くなりになった時点で権利証書の効力はありません。相続登記をする事により、取得された相続人の新たな登記識別情報通知が交付され、登記名義人であることの唯一の証明となります。これがなければ売却や担保提供はできません。協議が整ったら早急に登記申請を行い、新しい登記識別情報を取得しましょう。
登記申請は、司法書士が委任状を頂き、必要書類と併せて登記申請手続を代行します。申請すると約1週間で法務局の処理が終わり、登記識別情報通知が代理人司法書士へ交付されます。司法書士は新しい名義人へ登記識別情報通知を引き渡します。
登記識別情報通知はいかなる理由であっても再発行できませんので、紛失のないよう、また他人に見られないよう取扱いには十分ご注意ください。
また、登記の際には、登録免許税(登記するための税金です。収入印紙で納付し、登記の際申請書に印紙を貼ります)が必要になります。税額は、不動産固定資産税評価額の1000分の4となります。
<添付書類>
遺言書がある場合
*遺言書である被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本
*被相続人の住民票除票、戸籍除附票
*取得される方の現在の戸籍、住民票又は戸籍の附票
遺言書がない場合
*上記「マメ話:相続人の確定」で述べた被相続人及び相続人の戸籍・除籍・原戸籍等一式
*被相続人の住民票除票、戸籍除附票
*取得される方の住民票又は戸籍の附票
*遺産分割協議書
*相続人全員の印鑑証明書
但し、登記内容・戸籍等の記載状況により、他の書類が必要となるケースもございます。司法書士にご確認ください。
※:平成17年の不動産登記法改正により、登記済権利証書を新たに発行する制度が廃止されました。インターネットによる登記申請を可能にする為、従来の権利証書に変わるものとしてこの「登記識別情報」が交付されます。これは英数12桁の暗証番号のようなもので、売却や担保提供の際、登記名義人本人である事の証明としてこの暗証番号を法務局に提示する事で登記申請が行われます。
暗証番号であるが故、他人に見られると「従前の権利証書が盗難された」のと同様の危険性がございます。取り扱いには十分にご注意ください。
(法務局が登記識別情報通知を発行する際、「目隠しシール」により封印されております。シールは剥がさずに保有されたほうが安心です。)
登記識別情報を他人に見られた場合や紛失された場合、管理が難しいとお考えの方のために、「登記識別情報の失効手続」もございます。詳しくは司法書士にご相談ください。
なお、現在効力を有する権利証書については、死亡又は名義を変えるまで、現在の所有者の証明として引き続き有効です。
- 株 券
会社によって指定された名義書換代行機関(概ね信託銀行)に、株券と名義書換請求書を提出して手続をします。
株券がないと(発行されていない場合は除きます)、名義書換はできません。株券の除権判決手続を経ないといけないので、相続人の株式発行まで約1年ほどかかります。
これらの手続を司法書士に委任して代行してもらう事もできます。この場合、司法書士が上記書類を名義書換代行機関に提出し、名義書換後の株券が約2週間後に取得者の自宅へ郵送にて送られます。
<提出書類>
*株券
*名義書換請求書(各信託銀行指定のもの)
*株主票
(新しく株主になる場合のみ。通常は上記名義書換請求書と同一用紙です)
*被相続人および相続人の戸籍・除籍・原戸籍等一式
*遺産分割協議書・相続人全員の印鑑証明書
(遺言書で手続する場合は、遺言書のみで可。
自筆証書遺言の場合は家庭裁判所の検認証文付でなければなりません)
但し、信託銀行によっては他に書類が必要な場合があります。
- 預 金
預金は名義書換というより、通常は口座解約の上現金化します。添付書類は銀行により様々ですが、上記2で述べた被相続人及び相続人の戸籍・除籍・原戸籍等一式、遺産分割協議書、相続人全員の印鑑証明の他に、各金融機関所定の「相続届」を提出します。これは相続人全員の署名、実印の捺印が必要なので、遺産分割協議書と併せてご署名捺印いただく方が良いでしょう。遺言書がある場合は、遺言の他に何が必要か、金融機関と打合せとなります。
この手続は基本的に司法書士は代行できません。取得者が金融機関に出向いていただき手続をする事になります。
また被相続人名義の貸金庫がある場合、併せて解約手続も必要になります。相続による貸金庫の解約方法も銀行によって様々です。司法書士が打合せの上、相続人と行います。
以上が手続についての一通りの内容です。
相続手続を「ほったらかし」にされている方も少なくありません。二次相続が発生すると、書面に残さない合意が問題に発展する事も珍しくありません。なるべく早くに調査・協議のうえ書面化し、手続を終了しておく事が最大の防御であり、以後の家族関係の安泰につながります。お気軽に司法書士・税理士にご相談ください。