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贈与税のかからない財産の贈与(相続税対策としての生前贈与のテクニック)

贈与税のかからない財産とは
 
T. 贈与税のかからない財産(贈与税の非課税財産)(相法21条の3)

種  類

非 課 税 の 範 囲

生活費や教育費のための贈与財産 通常必要と認められる金額(以下参照)
社交上必要と認められる香典等 香典、花輪代、盆暮のお中元やお歳暮、お祝金、お見舞金などで、社会通念上相当(社交上常識的な範囲内のもの)と認められるもの
離婚に際しての財産分与 離婚を手段として贈与税や相続税を不当に免がれる場合 、不当に多すぎると認められる場合のその多すぎる部分以外のもの
債務超過の場合の債務免除、債務の肩代わり、低額譲受け 債務者が債務超過である場合、その免除を受けた額(一定の要件に該当する場合)
会社からの贈与財産 贈与税全額非課税。ただし、所得税がかかる。
公職選挙の候補者が贈与により取得した選挙運動のための財産 国会議員、地方議会議員、知事、市町村長の選挙に関し、公職選挙法の規定により報告されたもの
 
  1. 贈与税は、贈与を受けたすべての財産に対して課税することを原則とし、
     
  2. 贈与税の計算は、1月1日から12月31日までの1年間の
    ( 贈与財産の価額の合計額 − 基礎控除額 110万円 ) × 贈与税率 = 贈与税額 ですが、
     
  3. 贈与税の基礎控除額 110万円とは別に、その財産の性質や贈与の目的などから、上記のものは贈与税の課税価額に算入しなくても良いことになっています。(相法21−3)
     注: 上記は一般的なもののみで、例外的なものは記入していません。
     
  4. なお、贈与税の計算における基礎控除額 110万円も、税法上の非課税財産ではないが、実際上は贈与税のかからない贈与と言えます。
     
     

  • 贈与税のかからない贈与を実際的に表現すると次のようになります…(私見)
    (社会通念の問題でしょうが) 
    1. あげる
       食事代(実費)をあげる(「食事代にしなさい」は贈与といわれやすい)
       
    2. 買ってあげる
       車を買ってあげる(車代の一部を援助するのでは贈与といわれやすい)
       ピアノ、洋服、成人式の着物を買ってあげる
       
    3. 連れて行く
       旅行に連れて行く(旅行費用をあげるのでは贈与といわれやすい)
       
    4. おごる
       食事をおごる
       
    5. 出してあげる
       入院費を出してあげる
       入学金を出してあげる
       家賃を出してあげる(家賃としてまとめて 200万円をあげるのは贈与になる)
       
    6. 生活費、教育費を援助する
       
    7. これらの事についての考え方 → 専門家のために
      ・物、実費、行為は特に高額なものでない限り、贈与とはいわれにくい。
        (課税額としての評価も難しいからか)
      ・実費相当の現金の贈与は、贈与と言われやすい。
      ・物、実費に代えて現金をあげるのでは贈与と言われやすい。
        (贈与税の基礎控除110万円までなら問題ないが)
      ・受贈者に支払能力があっても、生活費、教育費として必要な都度渡す(支払う)のは贈与とは言われにくい。
      ・子、孫の資産形成になるものは、贈与になる。
      ・生活費、教育費は親に(夫に)出して(援助)もらい、自分の収入は土地、建物の購入にあてていれば、贈与税の対象になると
      言われても、やむを得ない。
      ・贈与税のがれの意識的贈与、租税回避的なものは贈与になる。
      ・贈与にならないと思われるものでも、おもてだって質問すれば贈与だと言われて当然だ。
      ・贈与事実の掌握のむずかしさ、補足率の問題と、課税の公平が問題になるのであろうが。
      ※これらはすべて社会常識の問題でしょうが。
       
  • 生活費や教育費のための贈与財産について
     
    1. 夫婦とか親子、兄弟姉妹などの「扶養義務者」相互の間で「生活費」や「教育費」に充てるため取得した財産で、生活費は、その人の通常の日常生活を営むのに必要な費用をいい、教育費とは、 学資や教材費、文具費などに充てるための費用をいいます。
       
    2. 生活費や教育費で非課税になるのは、必要な都度、直接これらに充てる為のものに限られ、生活費や教育費の名目で贈与を受けた場合であっても、それを預金したり株式や不動産などの 買入代金に充てている場合には贈与税が課税されることになります。
       
    3. 「扶養義務者」「生活費」「教育費」については、詳しくは以下の 注2 で説明します。
       
       
  • 社交上必要と認められる香典等について (相基通21の3−9)(所基通9−23)
     
    1. 個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物又は見舞い等(災害等の見舞金)のための金品で、
       
    2. 社会的な相互扶助あるいは儀礼的な性格のもので、
       
    3. その金額が社会的地位、贈与者と受贈者との関係等に照らして社会通念上相当と認められるものについては、
       
    4. 個人からのもの、法人からのものを問わず、贈与税も所得税も課税されないことになっています。
       
     
  • 生活費、教育費のための贈与及び社交上必要と認められる香典に、なぜ贈与税が課税されないか…(私見)
     
    1. 理論的には贈与なのだが、「贈与の意識」の中で行われるものではなく、生活、生活の援助、親子関係、親族関係、人間関係のふれあい、つきあいの範疇に入るもので、贈与の目的、社会常識、国民感情、人間感情からして、贈与税の対象とすることが、適当でない。
       
    2. それなら、これらのものについて、金額には制限がないのかと言えば、当然に目的、内容、社会常識、社会通念により、又贈与者及び受贈者との関係、社会的地位により判断されます。
       
      U. 贈与であるが、手続をすれば贈与税が課税されないもの
     
    1. 夫婦の間で居住用不動産を贈与したときの配偶者控除
      婚姻期間20年以上の夫婦の間で、居住用不動産又は居住用不動産の購入資金(現金)の贈与があったとき、一定の要件にあてはまれば、贈与税の基礎控除額 110万円の他に、最高 2,000万円までの配偶者控除が受けられます
    2. 相続時精算課税制度
      (1) 相続時精算課税制度
      (2) 住宅取得資金
      (3) 「相続時精算課税制度は福音か」のページをご覧下さい  
    (注1) 贈与とは
    贈与は、財産の無償による移転で、民法では、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、 相手方がこれを受諾することによって成立する民法上の契約のことをいいます。(民法549)
     
    (注2) 生活費や教育費のための贈与財産について、より詳しく専門的に解説すると次のようになります
    (法人税の通達より)
     
    1. 扶養義務者とは
       「扶養義務者」とは、配偶者並びに民法第877条の規定による直系血族及び兄弟姉妹並びに家庭裁判所の審判を受けて扶養義務者となった三親等内の親族をいうのであるが、これらの者のほか三親等内の親族で生計を一にする者については、家庭裁判所の審判がない場合であってもこれに該当するものとして取り扱うものとする。(相基通 1の2−1)
       
    2. 生活費の意義
       「生活費」とは、その者の通常の日常生活を営むのに必要な費用をいい、治療費、養育費その他これらに準ずるもの(保険金又は損害賠償金により補填される部分 の金額を除く)を含むものとして取り扱うものとする。(相基通21の3−3)
       (注)具体的にどの程度のものまで生活費として認められるかについては、一律に決めることは適当でなく、その者その者の個々の事情に即して社会通念に従って判断すべきものと考えられる。
       
    3. 教育費の意義
       「教育費」とは、被扶養者の教育上通常必要と認められる学資、教材費、文具費等をいい、義務教育費に限らない。(相基通21の3−4)
       (注)したがって、教育費のうちには、小学校、中学校の義務教育費に要するもののみでなく、広く、幼稚園、高校、大学、各種学校等義務教育以外の教育に要するものも含まれること となる。
       
    4. 生活費及び教育費の取扱い
      生活費又は教育費に充てるためのものとして贈与税の課税価格に算入しない財産は、生活費又は教育費として必要な都度直接これらの用に充てるために贈与によって取得した財産をいうものとする。したがって、生活費又は教育費の名義で取得した財産を預貯金した場合又は株式の買入代金若しくは家屋の買入代金に充当した ような場合における当該預貯金又は買入代金等の金額は、通常必要と認められるもの以外のものとして取り扱うものとする。(相基通21の3−5)
       
    5. 生活費等で通常必要と認められるものとは
       「通常必要と認められるもの」は、被扶養者の需要と扶養者の資力その他一切の事情を勘案して社会通念上適当と認められる範囲の財産をいうものとする。(相基通21−3− 6)
       
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