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角地等で評価の高い土地、広い土地について相続税評価を下げる方法

評価額の高い土地を保有している場合、少しでも土地の評価額を下げるテクニック
  1. 土地の利用状況(利用区分)を分ける方法
これには
〔イ〕利用状況(区分)を分けることにより土地の評価減をしようとするものと
〔ロ〕評価単位を分けることにより評価額を落とそうとするものとがある。
注:〔イ〕と〔ロ〕は利用状況(区分)を変えることにより、評価額を下げようとするものであるが、あえて分けて表現しました。
  1. 遺産分割時に相続人が土地を分割して相続する方法  
    注:遺産分割 … 相続に伴い、被相続人の財産を相続人間で分けること
  1. 土地の評価 → 評価単位について
  1. 相続時点の相続財産である土地の評価は、相続時点の地目、利用状況、利用区分ごとに評価しま す。
  2. 土地、宅地の評価単位(財産評価基本通達より)
  1. 土地の評価 → 地目別に評価
    土地の評価額は、次に掲げる地目の別に評価する。ただし、一体として利用されている一団 の土地が2以上の地目からなる場合には、その一団の土地は、そのうちの主たる地目からな るものとして、その一団の土地ごとに評価するものとする。
    注:地目の判定は、不動産登記事務取扱手続準則(平成17年2月25日付民二第456号法務省民事局長通達)第68条及び第69条に準じて行う。
     
  2. 宅地の評価単位 → 利用の単位(区分)ごとに評価
    宅地は、1画地の宅地 (利用の単位となっている1区画の宅地をいう。以下同じ。)を評価単位とする。土地の上に存ずる権利についても同様とする。(平11課評2-12外追加。平16課評2-7外改正)
  1. 遺産分割により取得した宅地について
    相続、遺贈又は贈与により取得した宅地については、原則としてその取得した宅地ごとに、且つ 利用単位ごとに評価します。
(注)評価単位の基本的な考え方
1 :宅地の価額は、1画地の宅地ごとに評価します。
「1画地の宅地」とは利用の単位となっている1区画の宅地のことを示します。

2:すなわち、宅地は土地台帳に登録されている1筆単位とか所有者単位で評価するので はなく、利用単位ごと評価します。
例えば、甲の所有している一つの宅地が、数筆に分かれていても、その全部を自己の居住用に使用している場合等であれば、1筆ごとに評価するのではなく、その数筆の宅地を1画地として評価します。
また、乙の所有している1筆の宅地を、その半分は自分が使用し、他の半分を丙に貸 している場合には、それぞれ利用状況が異なりますので、その利用区分ごとに評価することになります。
3:「利用の単位」の判定に際しては、原則として、
(1)自己(所有者)の自由な使用収益権が得られるか
(2) 何らかの権利の目的となっている宅地で所有の自由な使用収益権に制約が付されているかによって判定することとなります。また、・の場合には更にその制約の対象となる単位ごとに区分して評価することが必要となります。
(3)遺産分割により取得した宅地について
相続、遺贈又は贈与により取得した宅地については、原則としてその取得した宅地ごとに、且つ 利用単位ごとに評価します。
4:地目、利用状況により評価単位を分けようとする場合、その区分毎に境界が明らかか、ブロック、塀等の設置がなされているかも判断材料になるでしょう。

5:利用状況は登記簿上の地目によるとは限らず、現況により判断します。
尚、登記簿上の地目とも対比されるので、現況についての証拠書類、写真等もあった方がよいでしょう。

  1. 評価単位
利用状況(区分)分ける(変える)方法にも
  A. 土地の評価減を目的にしたものと
  B. 評価単位を分けることを目的としたものとがある。
     (Aをする事によりBは当然の結果になるのであるが)
評価単位が変われば、
(1) 側方路線影響加算、二方路線影響加算
(2) 三方路線影響加算、四方路線影響加算のみでなく、
(3) 奥行価格補正率、奥行長大補正率
(4) 間口狭小補正率等にも影響が生じます。
(5) 角地等の場合、正面路線価も変わります。
  1. 土地の評価減を目的としたもの
  1. 土地の利用より、収益を上げることを計画し、その結果、土地の上に発生する貸宅地、定期借地 権付宅地、貸家建付地等の土地の上に存する権利としての土地の「評価減率」が活用でき、土地の評価 が下がるものです。
注:これらの評価減率は更地を前提に考えると土地利用により土地の価値が下がる(キズものになる)分を評価により減額しようとするものです。
(その土地が有効に利用されていれば、必ずしも土地の価値が下がるとは言えないのであるが)
尚、ここでいう土地利用、収益を前提とした「土地評価減額率」一覧表は次のとおりです。 土地評価減額率一覧
No. 土地利用区分 減額率 算  式 要件・留意事項 評基通
1 貸宅地 右分 路線価×(1-借地権%) 借地権割合は都心部で概ね60%から70% 25
2 定期借地権付宅地 右分 更地の相続税評価額
-定期借地権評価額
イ)算式による評価額
ロ)減額割合は残存期間年数に応じて傾斜
*イ)またはロ)のいずれか大きい方
25-(2)
3 貸家建付地 右分(24%から28% 路線価×(1-借地権%×借家権%×賃貸割合)
借地権割合はNo.1参照
借地権取引慣行がない地域20%
大阪国税局における借家権割合は30%
26
4 地上権の目的となっている土地 右分 路線価-(評価額×法定地上権割合) 建物所有を目的とする地上権は除く 25-(3)
5 不整形地 40% 路線価×(1-*%) 40%の範囲内 20-(1)
6 無道路地
間口が狭小な宅地等
奥行が長大な宅地等
がけ地
40%
20%
10%
47%
路線価×(1-*%) 40%の範囲内
路線価×(1-*%) 40%の範囲内
路線価×(1-*%) 40%の範囲内
路線価×(1-*%) 40%の範囲内
画地調整率表より 20-(2)
20-(3)
20-(4)
7 一方の道路(一路線)に面する宅地にする(宅地の評価は取得した相続人及び利用区分毎です)   二方、三方、四方が道路に面する宅地は、その分評価が加算されるので、一方の道路だけに面するように利用区分を分けるか、分筆して異なる相続人が相続するようにしておくと良い。(不自然な分割は不可)  
二路線等で路線価の異なる道路に面する土地について   高い方に面する宅地と低い方に面する宅地とに利用区分を分けるか、分筆して異なる相続人が相続するようにしておくと良い。(不自然な分割は不可)  
8 都市計画道路予定地 30% 路線価×70% 予定部分のみ 24-7
9 土地区画整理事業施工中 5% 路線価×(1-5%) 仮換地造成工事中、1年超の場合のみ 24-2
10 利用価値が著しく低下している土地 10% 路線価×(1-10%) 道路より高低ある土地他  
11 4m未満の道路に面した土地   路線価×(1-30%) 面している道路巾が4m以内(セットバックの部分のみ) 24-6
12 河川を隔てて道路がある宅地     実体により評価減 20-
(1)(2)
13 私道(1) 70% 路線価×30% 多数の者の通行
(第三者の通行の用に供されている道路)
24
私道(2)(公衆用道路) 100% 評価なし 不特定多数の通行(通り抜けが出来、ある程度の公共性のある道路) 24
14 広大地 65%
路線価×0.6-0.05× 広大地地積
1000u
 

24-4

15 公衆用道路 100% 評価なし 公衆の通行の用に供されている   
16 相当の地代による貸宅地
無償返還届提出貸宅地
20% 評価×80% 20%借地権価額不算入 S60
直評9
17 青空駐車場(他人が設備をしているものを除く) 0 自用地評価額 貸借権減額なし -
18 農地転用許可地 右分 宅地価額-造成費 評価上の区分=市街地農地 36-4
40
19 市街地山林   倍率地域は倍率方式 49
20 生産緑地(30年経過他) 5から30% 宅地評価後×(1-*%)  通常の生産緑地=期間割合 40-3
21 地役権目的市街地農地 50又は30% 評価額×50(30)% 家屋建築不可の場合は借地権と比較し、高い割合 9(6)
41
22 高圧電線が架設されている土地
高圧ガス導管の敷設他
50又は30% 評価額×50(30)% 区分地上権に準ずる地役権他(建築制限の内容による) 27-5
23 遊園地10万m²以上 右分 評価額×50(30)% 市街地山林造成地 83-2
24 造成中の土地 20% 評価+費用原価×80% 課税時期引き直し額 24-3
25 ゴルフ場 右分 評価額×60%-造成費 ゴルフ場造成額 83
(注)
1.土地の評価にある路線価とは、各道路毎に税務署が付している評価額です。
(尚、都市部以外は路線価の代わりに市役所の固定資産の評価額に一定の倍率を乗じた額を使います)
2.居住用又は事業用の宅地(貸宅地を含む)で240u〜400u(貸宅地は200u)までの部分は上記の価額から小 規模宅地の評価減として80%〜50%を減額します。
  1. 評価単位を分けることを目的としたもの
前記3は土地に収益を目的とし、その結果、権利引として評価減が生じるもので、この4は収益の額(率) は(1)程に意識したものでなく、評価単位の変更を目的にするものである。 この3及び4共、利用状況(区分)が変わる、変えようとすることは同じであるが、あえて目的により 分けて表現した。
  1. 実例1
利用状況を分けることで評価減
一画地の宅地で、利用状況を分けることにより、2画地とする事と貸家建付宅地による事により、評価 額が下がる例。
すなわち、宅地の相続税評価額は、一画地の宅地ごとに、利用状況の異なるごとに一つの宅地として評 価する仕組みとなっています。
従って、たとえ一筆の宅地でも、その利用状況が分かれていれば、2画 地として別々に評価されることになり、工夫次第で評価額を下げることができるのです。
下記のケースのように、何もしない場合に比べ宅地の利用状況を二つに分けることで、評価額が1億 5,500万円引き下げられました。
〔無対策の場合〕  〔利用状況を二つに分けた場合〕

普通商業地区

普通商業地区
 
(200万円+150万円×0.08)
×300u = 6億3,600万円
側方路線影響加算率
(角地の場合の加算率です)  

●Aの土地 (200万円+150万円×0.08)×50u
  = 1億600万円
●Bの土地 150万円×250u
  = 3億7,500万円
●合計1億600万円+3億7,500万円
  = 4億8,100万円
無対策の場合の評価額
利用状況を二つに分けた場合
評価が引下げられた額
…6億3,600万円
…4億8,100万円
…1億5,500万円
上記の通り、側方路線影響加算をすべき宅地でも、分割し、分割した土地の利用状況(区分)、地目を 変えれば、一方は角地でなくなり、評価額は下がります。
このように利用状況を分けることにより、評価単位が変わり、 側方路線影響加算 ・・・→ 一路線に
      (角地は) ・・・→(角地なし分)
ニ方路線影響加算 ・・・→ 一路線に
三方路線影響加算 ・・・→ ニ路線以下に
四方路線影響加算 ・・・→ 三路線以下に 変更も可能で、評価額は下がります。
この事は、3.の「評価減率」の活用を目的として計画した土地利用でも同じ効果が期待できるのです。
  1. 相続するときの遺産分割時、土地を分割して取得することにより、相続財産の総額を下げることができます。
この方法は、相続、遺贈又は贈与により取得した宅地については、原則としてその取得した 宅地ごと に評価する(評価単位を判定)ことになっているので、遺産分割の段階で2人以上の相続人が分割し て取得することにより評価を下げようとするものです。
  1. ここまでの説明で概ね分かっていただけたと思うが、ある一つの土地を一人の相続人に相続させるよりも、各相続人に土地を分筆して相続させた場合、分筆された土地ごとに評価額が算出されるため評価額が減少する場合があります。特に土地がある程度の広さを持っていたり、二つ以上の道路に接しているような場合に効果があり、分筆後のそれぞれの土地は奥行きや間口距離、角地かどうかなどにより評価が変わってきます。
  1. 分割して相続し、取得者を変えることにより、評価単位を変え評価を下げる方法は
      ・ 生前に於ける分割贈与又は分割による譲渡
      ・ 相続時に於ける遺産分割にも活用できます。
  1. 事例2
分割(分筆)して相続することにより評価額が減少する例 ・・・1
図のように正面路線価70万円、側方路線価50万円の土地で、土地面積25m×40m=1,000uの場合を 見てみましょう。無対策の時と比較して土地を4つに分筆して4人に相続させると、側方路線にしか面しない区画は評価額が減少するため、土地の相続評価額は約6億5,800万円から約5億4,900万円とな り、およそ1億900万円ダウンすることになります。(19年補正率を採用) 次の土地について *この土地は、普通住宅地区(借地権割合 70%)とします
<対策> <活用ポイント> <土地の相続評価額>
無対策の場合の1000m²
現状のまま 約6億5,800万円
次のように分割相続
土地を分割して相続
側方路線にしか面しない区画は評価がダウンする 約5億4,900万円

無対策の場合の評価・・・・・・・・・・・・・・・・ 約6億5,800万円
土地を分割して相続した場合の評価・・・・・約5億4,900万円
評価が引き下げられた額           1億 900万円
  1. 実例3
分割(分筆)相続することにより評価額が減少する例 ・・・ 2
  1. 遺産分割により、各相続人間でその土地を分筆してそれぞれ相続取得した場合には、その取得された土地ごとに評価することができます。
    その土地がある程度広い土地や2以上の道路に接している場合などは、分筆される前の土地の評価額と分筆後の個々の土地の評価は、奥行・間口距離の関係や角地や表面と裏面に道路が接しているかどうかなどにより、異なる場合があり ます。
  2. したがって、この評価の仕方を頭に入れて遺産分割を行うことも相続税の節税を行うテクニックかと思われます。
        次のケースは、遺産分割の仕方により土地の評価が大きく変わる可能性がある事例です。
                
※ABは相続人   
 <相 続 時>   <遺 産 分 割>
ケース1
2筆に分筆

  評価高い      評価低い       注 評価低い
  (全体評価)    (AB個々に評価)  (AB個々に評価)
ケース2
4筆に分筆

 評価高い        評価低い      評価低い
 A1A2一体評価    A1A2一体評価   A1A2B1B2
 B1B2一体評価    B1B2一体評価   個々に評価
  1. 土地の広さによっても、評価額の差は違ってきますが、ケース1、ケース2のいずれかの場合も相続の仕方によって評価額は異なってくるはずです。
    但し、その分筆前の仕方が、道路に接しない無道路地、間口が極端に狭い土地を作り出すなど不合理な分筆をした場合は、分筆前の全体で評価しなければなりません。
    注:上記の場合の分筆は、被相続人の名義のまま行い、分筆登記終了後に相続人の名義にする相続登記を行うことになりますが、この分筆登記の順番を逆にすると贈与税の問題が生ず ることもありますので気をつける必要があります。
  1. 不合理な分割が行なわれた場合の評価単位
遺産分割により評価単位を変えることで評価額が下がることは以上のとおりですが、贈与、遺産分割 等による宅地の分割が親族間等で行なわれた場合において、例えば、分割後の画地が宅地として通常 の用途に供することができないなど、その分割が著しく不合理であると認められるときは、その分割前の画地を「1画地の宅地」として評価することになっていますので注意が必要です。
 尚、この著しく不合理な分割は生前による贈与にも適用され、生前による贈与、生前の売買と相続に よる分割との間で行なわれた場合にも適用されます。
(評基通7-2(1)(注)) (注)
1.分割後の画地が著しく不合理であると認められるときの判定基準
 A 無道路地又は帯伏地となる場合
 B ・ その地域における標準的な宅地の地積からみて著しく狭あいな宅地となる場合
 C 現在のみならず、将来においても有効な土地利用が図られないと認められる場合
2.不合理分割に関する留意点
 A 分割後の画地が不整形地となる場合であっても、次の条件を充足している場合にはその分割が認められると考えられます。
  〈イ〉その地域における標準的な宅地面積を分割後の双方の宅地が有すること
  〈ロ〉不整形地となるような分割をしたことに合理的な理由がある場合(下記参照)  

※ 分割・は整形地であるが間口が狭く奥行きが長大となってしまい、分割・よりもかえって資産価値が劣ると考えられます。
3.不合理分割に関する取扱いは、親族間のみならず、親族とその同族会社や同族会社間でこのような不合理分割が行なわれた場合にもその適用があります。

  1. 実例4
駐車場として貸付けている土地がある場合 Q: 上記のような土地で、自宅の敷地の一部を月極駐車場として貸付けています。自宅と駐車場部分は 分筆しており、境界にはブロック塀があり、駐車場はアスファルト舗装されています。
このような土地の場合、自宅部分と駐車場部分と別画地として評価してよろしいでしょうか。
それとも、自用地ということで一画地評価すべきでしょうか。
A:  土地は地目別(評通7)に、宅地の価額は、財産評価基本通達10項の定めにより、一画地の宅地 ごとに評価するとされています。一画地の宅地とは、利用の単位となっている一区画の宅地をいい ます。
本件のように、自宅部分および駐車場部分は、いずれも自用地としての価額で計算することとされ ているため、これらを一括して評価すべきものでないかと危惧されたものと考えますが、自宅部分 は自己等の居住の用に供されているものであり、駐車場部分は財産評価基本通達7の不動産登記事 務取扱手続準則よりして雑種地となります。
したがって、自宅部分および駐車場部分は、いずれも自用地としての価額で評価はしますが、評価 単位は、それぞれ区分して評価額を計算することになります。
注:1.当該駐車場が青空駐車場でアスファルト舗装等がされていても、当該駐車場は雑種地 となり、使用区分は同じ自用地とはいえ、地目が雑種地になる為、自宅とは区分して 評価できます。
2.当該駐車場が他人(同族法人を含む)に貸与され、他人がブロック、アスファルト舗 装をしている場合でも、駐車場である限り雑種地です。
  1. 実例5
実例4に似ていますが、より詳しく側方路線宅地でも評価減できるケース
  1. 宅地の評価で、その宅地が角地の、いわゆる側方路線に接する土地は、宅地の評価では、影響加算がされるのは周知のとおり。
    さて、図のような側方路線に接する宅地のケースを考えてみましょう。
    正面路線と側面路線に位置する宅地となっていますが、その正面路線側に面する土地の一部を青空駐車場として賃貸しているものだ。この青空駐車場ですが、一般的に賃貸借契約上で特別な施設が設けられておらず、単に自動車の駐車場となっている場合には、借地権は発生しないこととなります。つまり、この青空駐車場は、地目は雑種地となり、自用地評価が行われるわけです。
  2. このため、図の土地の評価では、自宅部分も自用地評価となるため、全体を一団の土地として評価しなければなりません。ということは、側方路線に接する宅地に該当するため、影響加算に より評価も大きくなってしまう。こう考える方が多いのではないでしょうか。
  3. ところが、このケースは自宅部分と青空駐車場とに区分して評価することが可能なのです。全体が自用地となるのに「なぜ?」という疑問の声が聴こえてきそうですが、土地の評価では、基本的に使用区分にかかわらず、地目(利用状況)に応じて、それぞれを評価することになる状況。つまり、図のケースは自宅と青空駐車場とでは、宅地と雑種地に区分できるため、二つ に分けて評価がOKとなります。
  4. そのため、自宅部分は、一路線、それも低額の路線価の方だけに面することになり、加えて土地の形が長方形となるため、奥行価格補正率、奥行長大補正率が適用されます。 そして、角地に面している青空駐車場でも、奥行価格補正率が適用でき、評価減になります。
節税対策としての活用も一考
  1. 逆に角地などの評価が高くなりそうな宅地では、この青空駐車場の活用で節税ができることとなります。青空駐車場は、造成費も安価で、加えて権利金関係が生じず、契約解消も比較的容易。 利用者も特定の者に限られてくるため、地主は比較的安心して活用できるというメリットがあります。角地のうち、路線価の高い正面路線価に当たる箇所に駐車場を設置することにより、より 大きな節税ができることになります。
  2. とはいえ、評価の時点だけで青空駐車場としているにすぎない場合などの駆込み的な処置では事実認定で区分評価は否認され、自宅と一体評価となりましょう。実際には確定申告を一度経ていれば、継続性が認められるようです。また、自宅と駐車場部分の間にも塀や生垣などで明確な線引きを行ない、駐車場部分を自宅用地として使用していない点を主張することも有効となりましょう。こうした評価減、節税対策は、側方路線宅地のみならず、一方、ニ方・路線宅地でも応用ができることから、確認は忘れないようにしたいものです。
  1. 駐車場を中心とした評価単位について
A B
1 自宅 駐車場(設備は自分)
2 自宅 2階建て駐車場
3 自宅 駐車場(他人に貸与、他人が設備している)
4 貸家 貸家
5 自宅 貸家
6 マンション マンションに付随する入居者専用の駐車場
(道路を隔てた所にある)
7 マンション マンションに付随する入居者専用の駐車場
(同一敷地内、一体使用)
8 自宅 店舗(自用)
評価単位 A B
AB別 地目の違い Aは宅地
Bは雑種地(自用)
AB別 地目の違い Aは宅地
Bは雑種地
AB別 地目の違い Aは宅地
Bは雑種地(地上権あり)
AB別 利用単位の違い
(貸家は棟毎)
ABとも
貸家建付地
AB別 利用単位の違い A=自用
B=貸家建付地
AB別 利用単位の違い A=貸家建付地
B=自用
同一画地 区分し
個別評価できない
ABとも
貸家建付地
同一画地 区分し
個別評価できない
ABとも自用宅地
  1. Q&A
Q: 土地をどうしておくと評価は安くなりますか。 A: 広大な土地を所有し、さらにその土地が路線価の極端に異なる2つの道路に面しているのなら、 土地の利用区分によって、相続税の評価減が可能になります。
解説: <ここが肝心>
土地の評価を軽減しようとする場合、土地の区割が有効です。相続税の宅地の面積については、 利用の単位となっている1区画の土地ごと、すなわち1区画ごとに評価します。
このとき路線価に注目します。路線価とは道路に面した土地1u当たりの価額で、概ね同一の価 額の宅地が並んでいる道路ごとに設定されています。路線価は路線図にまとめられ、税務署で無 料で閲覧することができます。
所有する土地のなかに、路線価がかなり異なる2以上の道路に面する土地があり、それを2区画 に分けられ、2以上の利用単位に分けられれば、それだけでもかなりの宅地の評価減が可能にな ります。この場合、土地の利用区分ごとに分筆し、1筆の土地を1画地としておけば、より評価 単位が明確になり好ましいものとなります。
ただし、土地の有効利用という観点からは、区割はよい方法とはいえません。有効利用と節税とは二律背反の関係にあることを覚えておきましょう。
<さらに勘所>
借入れをしてアパート経営をするという相続対策があります。その効果としては、借入額と相続 税額との差額が、評価減されることです。
たとえば、1億円借入れて同額のアパートを建てれば、債務は借入金1億円ですが、アパートの評価は半分の約5,000万円となり、差額5,000万円(借入金1億円−アパート5,000万円)は、 課税遺産総額からマイナスされます。さらに、アパートの敷地も評価減されます。評価減の割合としては、借家権割合に借地権割合が乗じられたもので、おおよそ2割減といったところでしょう。
また、固定資産税は、居住用になれば6分の1(200uまで)または3分の1(200u超)となり、これらは各戸単位でみられるため、ほとんど大幅減となります。
しかし、アパート経営をする以上、立地や採算について考えなければなりません。立地条件の悪 い場所にアパートを建てても入居者は見込めず、借入金返済に四苦八苦することもあるでしょう。
相続対策で行なう以上、アパート建築の面のみにとらわれず、全体的な相続対策として、守る土地、有効利用する土地、処分する土地といったものをよく吟味して、本当に有効であるかを検討して実行してほしいものです。
(現 状) (対策後)

普通商業地区

普通商業地区
(1) 現状の土地の相続税評価額
正面路線価裏路線価ニ方路線影響加算率
{ 50万円 +( 20万円 ×  0.03  )}      × 400u = 20,240万円
(2)対策後の土地の相続税評価額
青空駐車場路線価  貸家路線価       減額割合
( 50万円 ×100u)+{ 20万円 × 300u×(1− 0.2 )}= 9,800万円
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