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事業の経費(必要経費)と私生活の生活費になる支出は支出額を見ると2倍または3倍の違いがある
例えば、¥10,000,000の利益(所得)がある企業(法人とする)の場合、法人税等は概ね¥3,000,000です。この場合、他に必要経費になる支出が¥1,000,000あったとすれば、法人税等は概ね¥2,700,000となり法人税等が¥300,000少なくてすみます。
これに対し、(私生活の)生活費(事業主貸)の支出を¥1,000,000しようと思えば、¥1,000,000+所得税等(例えば¥300,000)を加えた額を利益として稼がなければ個人で¥1,000,000の支出ができない(使えない)ことになります。
言い換えると、必要経費になるものを、¥1000,000使った場合¥300,000の税金が安くなり、結果的には差し引き700,000しか使っていない事になり、支払額の一部を国が持ってくれた結果となります。生活費で支払うなら¥1,000,000+所得税等(例えば¥300,000)合計¥1,300,000の支出が必要になります。
この結果、必要経費となるか生活費となるかで必要となるお金に¥1,300,000÷¥700,000=1.8倍の違いがあります。
これらの事により私共では、生活費の充分な吟味のために生活費「事業主貸(店主貸)の分析」を次の区分でするようにしています。
生活費(事業主貸(店主貸))の分析
事業主貸(店主勘定)とは事業とは関係のない事業主の個人的生活費等の貸借、入出金の処理の為の口座です。
この事業主貸借も次のような分類で分析・集計してみたいものです。
No. | 項目 | 内容 |
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1 | 事業主貯蓄 |
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2 | 事業主保険 |
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3 | 事業主税金 |
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4 | 事業主生活費 |
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5 | 事業主住居費 |
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6 | 事業主貸借 |
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次のものは事業主貸(店主勘定)でなく、事業の一般管理販売費(必要経費)になります。
No. | 内容 | 仕訳科目 |
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1 | 消費税、事業税 | 公租公課 |
2 | 事業に使っている土地、家屋の固定資産税 | 公租公課 |
3 | 事業に使っている什器備品、機械の償却資産税 | 公租公課 |
4 | 事業に使っている家屋、什器、備品等の火災保険料 | 保険料 |
5 | 事業に使っている電気、ガス、水道代 | 水道光熱費 |
注:事業の為の土地、家屋のローンの支払金は、生活費でなく借入金の返済になります。